ざっくり過ぎるコロナ対策

半年ぶりの銀座の夜は大賑わいでした

みなさんこんにちは。

コロナについてはもうあまり書きたくない、と思っていましたが、昨今の状況があまりにもひどいので、さすがに自分でも少し考えなければいけないな、と思うようになりました。

「あまりにもひどい」というのは、感染が急激に拡大している、とか、政府の対応がひどいとかいう現象面のことだけではなくて、コロナおよびコロナ対策による影響が、世代や地域、業種、さらには一人ひとりの「考え方」や「気質」によって全く異なるため、今の日本社会に深刻な

分断

をもたらしつつある、という状況のことをさしています。

4月5月の緊急事態宣言のころは、「なんとかコロナの拡大を防がなければならない」という、社会全体の共通の目的のようなものがあり、槍玉に挙げられたのはパチンコ店ぐらいで、ある意味、一丸となって同じ方向を目指していたと思います。

ところが、重症化する可能性が若年層や高齢者で違うことや、経済への影響が業種によって全く異なることが明らかになるにつれ、こうした共通目的や、それに向けての一体感は全く失われてしまった感があります。

高齢者は電車の中でもマスクをしない若者を睨みつける一方、自粛自粛で辟易している若者は、昼カラや高級ステーキ店での会食をやめない高齢者にネット上で罵詈雑言を浴びせる。

医療関係者が疲弊してうつに陥る方も多い中、Go toで通常より潤っている旅館、飲食店もある。

マスコミは、次の被害者を見つけて視聴者の同情を煽る一方、次の加害者も見つけてボコボコにすることで、視聴者のカタルシスもしっかり用意する。

いったいいつまでこういうことを続けるのでしょうか。

それもこれも政府がしっかりしていないからだ、と言ってしまうのは簡単ですが、

じゃああなたはどうすればよいと思うのか?

と問われたときに、建設的な意見を言えるのか。

まがりなりにも

問題の解決

をなりわいとしている中小企業診断士としては、「どうすればこの問題を解決できるのか?」と聞かれて、「それは政府に聞いてください」とは言えません。問題があれば、それがどんな問題であれ、何らかの解決策を提示しようとするのがまっとうな診断士だと考えるからです。

ということで前置きが長くなりましたが、この問題を、診断士的に考えてみたいと思います。

シンプルな方針が必要

まず、コロナ対策の目的をシンプルに明確にしておきます。これは、

「経済を回しつつ医療崩壊を防ぐ」

ということに尽きると思います。

このこと自体に反対する人はあまりいないでしょう。政権の支持率とか、特定の団体の利害、ネット上の意味不明な「世論」はこの際一切捨象して、シンプルに考えます。

次に、そのために何が必要かを考えます。これは、コロナの影響が世代ごとにここまで異なってしまう以上、世代別に分けて考えざるを得ません。すなわち、基本方針としては、

1) 医療崩壊を起こす重症者になる可能性のある高齢者には、徹底的に自粛してもらう。

すなわち、大人数、かつ夜間の会食は自粛(禁止)とする。

2) 重症化の可能性が少ない若年層には、経済を回す役割を担ってもらうと同時に、高齢者に感染させない対策を徹底させる。 また、若者層であってもクラスターの発生は医療を崩壊させるので、大人数での活動は自粛。

すなわち、少人数での会食、旅行は自由とするが、大人数での活動は自粛(禁止)。高齢者と同居している場合も自粛。また、公共施設(電車など)でのマスク着用を義務付ける。

ということになります。簡単に言うと、

「みんなで高齢者を守りましょう。高齢者は、守ってもらっているのだから、襟を正しましょう」

ということです。

もう一点、医療崩壊は需給バランスの崩壊ですから、医療の供給を増やす必要があります。すなわち、

3) 医師、看護師の処遇を飛躍的に改善させる。当然、「2類相当」も見直す。

この3つだけです。

この3つの方針をぶれないようにして、あとは具体的な制度設計や、情報宣伝戦略に落とし込んでいけばよい。

Go to は?

Go to などは、今となっては枝葉末節の感がありますが、私は基本的に、このような人為的な政策は不要だと思っています。

一時的に需要は増えるかもしれませんが、瞬間的に価格が下がったための「特需」であって、対策がなくなれば、また需要は消えていきます。本来の商品や価格に魅力がなく淘汰されるべきものを延命させているだけで、中長期的には企業が育つことにはなりません。

また、Go toによって普段は絶対来ないような若年層が殺到し、常連客が来なくなった宿もあると聞きます。Go toなどなくても生き残れる企業がおかしなことに巻きこまれるのは、

百害あって一利なし

です。

先の方針を全うしようとすれば、おそらく一番困るのは、これまで高齢者の団体需要に依存してきたような、いわゆる「大箱」の旅館、飲食店でしょう。しかし、このコロナ禍が当面続くとすれば、残念ながら、こうした「大箱」は淘汰されざるを得ないと思います。それをGo toなどで延命させたところで、先はない。政府の補助を投入するなら、短期的な大量失業を回避し、業態転換を加速する方向に使わなければならないといけないと思います。

自分はどうすればいいのか

さて、では、このような方針に基づいた場合、私はどうすればよいのか。

来年還暦を迎える身としては、守ってもらわなければならない高齢者とまでは行きませんが、若年層とは言い難い。一方、同居はしていないが、高齢者の家族と接する機会が頻繁にある。したがって、行動指針としては、その中間、ということになると思います。

すなわち、

1) 大人数、かつ夜間の会食は自粛。少人数、家族での会食は 適度に。

2) 旅行も、高齢家族と接する前は自粛。

3) 公共施設(電車など)でのマスク着用

4) 旅行する場合でもGo to は活用しない

5) 旅行や会食を楽しんでいる若者を見てもイライラしない

というところでしょうか。

1)~3)は、今まで普通にやってきたことですね。(たいていの人はそうだと思います)

4) は、一時、Go toに手を出しそうになったことがあり、5) も、少しイラっとしたことはあります。ここは注意しないといけませんね。

ともあれ、基本的には、これまでやってきたことを粛々と続けて行けばよい、という結論になりました。

ちょっとすっきりした。

しょうもないコロナ報道やヤフコメばかり見ていると、どんどん自分がバカになっていくような気がしていましたので、これでやめられそうな気がします。

日々のニュースを追うのはやめにして、明日からはもう少し建設的なことに時間を使おう。

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